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日本語には実は主語が「ない」

あ~、お腹が空いた!

↑この文の「主語」は何でしょう。
もちろん、形から言ったら「お腹」が主語、とも言えるかもしれません。でも隠れている主体は「私」ですよね。
英語なら
I’m hungry.
となります。
今日は忙しかった!
も同様。日本語では、形的には「今日」が主語ですね。でも忙しかった主体はここでも「私」です。
I was busy today.

実は「主語」が日本語と英語では概念が異なるのです。
もっと端的に言えば、日本語には英語でいうような「主語」はない。よく、日本語では主語が省略される、という言い方をしますが、省略されているというより「ない」というほうが実情に即しているかもしれないのです。

ここで少し日本語のほうに注目します。
「~は」と「~が」が主語を表す、と言われているのですが、上でも書いたように、英語の主語とは一致していません。
「~は」というのは、主語というより「主題」を表している、という説があります。
「今日は忙しかった」では、「今日について言えば」忙しかった、という意味。
「私は忙しかった」ということもあるでしょうが、それもやはり「私に関していえば」忙しかった、ということで成り立ちます。

では「お腹が空いた」はどうでしょう。ところで、「お腹は空いた」とは普通は言いませんよね(特別な文脈ではあり得ますが……ここで質問。どういうときならこういう言い方があると思いますか?)。
「お腹が空いた」は、「空いているものは、それはお腹である」というような意味合いになるのです。つまり「~が」は注目される対象を表します。

よく、「私は」と「私が」の違いは何、というのは日本人でも説明できない!日本語難しい!と話題になることがありますが、
「私はやる」ならば「(ほかの人はいざ知らず)私について言えば、やる」であり
「私がやる」ならば「やるのは誰かというならば、私である」ということなのです。

英語のほうを見てみます。
I’m hungry. は、「私は、お腹が空いた状態である」
だし、
I was busy today. は「私は、今日忙しい状態だった」
です。ここで日本語訳に「私は」という「主語」のようなものを使わざるを得ませんでしたが、本当はここでも、日本語は「私について言えば」を言っているのだし、英語の I は「主体」を表している語で、厳密には日本語で表せないとすら言えます。
だから(?)日本語では(英語のような位置づけの)主語を言わない。
私はお腹が空いた、とか私は今日忙しかった、なんていちいち言わないことがほとんどですが、それは省略されているのではなく、むしろないのが当然で、ある時は「私について言えば」をことさらに言いたいときなのです。

ややこし! 日本語すらわかんなくなってきた!
…って人は、上記は忘れてくれてかまいません。ただ覚えておいてほしいことは、日本語には英語の主語にあたる言葉は実は「ない」ってことで、だから日本人が英語を話したり書いたりしようとするときに、う、と詰まってしまうというということを分かっていただきたいのです(主語が省略されているだけなら事態はもっと楽だったんですけどね…)。

さて、上で宿題?にした「お腹は空いた」ですが、例えば
「お腹は空いたし、喉は乾いたし、足は疲れたし…」
なんて場合でしょうか。
「お腹について言えば空いた、喉について言えば乾いた、足について言えば疲れた」
ということになるのはもうお分かりですね。
ちなみに
「も~腹ペコだあ~」
とか言えば、もはや主語に似たもの、すらなくなってますね(笑)。

そういやもう一つ思い出した、最近(というかもう20年ぐらい前から?)、若い人に、たとえば
「あのプロジェクトはどうなってる?」
とか聞くと
「は(発音はwa)~、ちょっと遅れ気味ですね」
とか、助詞の「は(wa)」だけ使って答えるという現象が多発して、おばさんはいまだについていけてません。

文型がイノチ!

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