本当はめっちゃ大事な a/anとthe

a/an とかtheとか、使い分けも、付けるか付けないかも、全然飲み込めないんだけど?
という人は多いでしょう。たいがいの日本人は冠詞に悩むのです。だって日本語にないもんそんなの。
で、要らないじゃんもうそんなの、と思う。

まあ、要らないです、実際。なくても大概の場合は分かります。
けれど、実はちゃんとそれらには重大な意味がある。日本人が思っているほど「単なる帽子」みたいなものじゃない。

怖い?話もありますよ。
観光客がホテルなどで、タクシーを呼んでください、と頼む。
で、つい 
Call me taxi.
とか言ってしまう。通じます。シチュエーション上、通じますがたぶんホテルの人は内心クスクス笑ってる。
「私のことタクシーって呼んでね」
と言ってることになるから。ま、卓志くんとかそういう名前の人はいいけど。


ここは
Call me a taxi.
と言わなきゃならない。

同じじゃね?
いいえ、a が入ってますよね。これでちゃんと「私にタクシーを呼んでください」という意味になります。
ま、こういうときは最悪でも A taxi、please. またはちゃんとしたければ I’d like a taxi. と言うほうがいいんですが。
  

数えられる名詞(←この概念自体が日本人には難しいのですがそれはまた別項にて)が単数であるとき、帽子をかぶらないといけません。つまり冠詞が必ず付く。
冠詞が付かないと固有名詞だと思われます。それで「タクシーって呼んでね」に聞こえてしまうのです。
またこの場合、theではありません。the taxiと言ったら、特定のタクシーを指すことになります。さっき乗ってきたタクシーがとても感じよかったので、またあのタクシーを呼んでください、というような場合ならあり得ますが。

しかし、タクシーに乗るはtake a taxi ですが、バスや電車ならたいがいはtake the bus, take the trainになります。なぜでしょう? …詳しくは次項で。

特定する the 紹介する a/an

Taxiに「a」がついて、bus やtrain には「the」が付くのはなぜ?

チコちゃん風に言えば
「バスや電車には『路線』があるから~~」
です。

つまり、バスや電車は「特定できる」ということです。具体的にどの路線が、とまで聞き手が知っている必要はありませんが、目的地まで行くための路線、話し手がいつも乗っている路線、など、だいたい想像できます。「えっ?どのバス?」とか聞き返すことはない。

逆に、タクシーは、複数がランダムに走っている中の、たまたま乗った1台。take the taxiと言ったら 「え?どのタクシーのこと?」 と相手には思われる。前項で言ったように「感じのいいタクシーだったのであえてそれを選んでまた乗った」とかならありえますが。

theという定冠詞は、「定」の字が示すように、「定まっている」「特定できる」ことを表しています。
「theは特定できる」
「theは特定できる」
「theは特定できる」

……大事なことなので3回言いました。
theの気持ちは「あなたも私も分かっている、例のアレ」なのです。

街中の施設、たとえばpost office(郵便局)とかmall(ショッピングセンター)とかbank(銀行)とかにも通常はtheをつけます。おおむね特定できるからです。だいたい分かればよろしい。

逆から言うと、「a」にはむしろもっと強い「機能」があります。
「相手が認識していないものを『紹介する』」機能です。
「とある〇〇がありまして」と、まず未知のものを導入する。

昔々、とある小さな村に、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
Once upon a time, an old man and his wife lived in a small village.
典型的な例ですね(ちなみにおじいさんとおばあさんは grandfather and grandmother ではありません、だれかの祖父母という意味ではないからね。あとこの手の文は大概「倒置」しますが、ここではとりあえず単純化)。

take a taxiも、はっきりとそうは言っていないけれど「まあ『とあるタクシー』がいたんで(いれば)それをつかまえた(る)んですよ」て感じ。

だから、上で出したpost officeなども、あるかどうか尋ねているようなときは「a」をつけます。
Is there a postoffice near here?
「この近くに郵便局はありますか」
Yes, go down this street, and you’ll see a big mall on your right. The postoffice is in the mall.
「はい、この道を行くと右手にショッピングセンターがあります。郵便局はその中です」

じゃあ相手にとって未知の場所ならいつもaをつけなきゃならない? いやそういうことではないです。ことさらに「存在を紹介する」場合でなければtheで問題ない。 上の2番目の例文でも
Yes, it’s on this street, next to the bank.
「はい、この道沿いにありますよ、銀行の隣です」 (銀行は行けば分かりますよ、銀行なんてどこでもあるし)

「a」には相手が未知のものを紹介する気持ちがある。
これもしっかり頭に叩き込んでください。

さて、a/anやtheについてまださらに話は続きますが、もうひとつ、「なにもつかないとき」についても説明しておかなければなりません。 bus や trainの例を再び持ち出すと、take the train, take the busと言うのに、ほぼ同じ意味のはずが「by」を使うと go by train (電車で行く)、 go by bus(バスで行く) と、冠詞が取れてしまいます。なぜ??

…次項をお楽しみに。

train や bus は「数えられる名詞」だよ…ね…?

「電車で行く」「バスで行く」というときは go by train、go by bus となり、the も a もつきません。

なぜさ? 「数えられる名詞(可算名詞)が単数なら必ず冠詞がつく」んじゃなかったっけ? 上でそう書いているじゃない。

…そうですね、すみません、てここはお詫びするところかな? かもしれないですが、これはまあ「例外」というか。
というより、ここでの train も bus も名詞、つまりモノの名前のような顔をしていますが、厳密にはそうじゃない。いや、名詞には違いないのですが。

これは、たとえば「寝る」(眠る、ではなく)が go to bed となってやはり冠詞が付かないのと同様の現象です。ビミョーではありますが、ここでのtrain, bus, bed はそれぞれ「システム」や「機能」を表していると言っていいかと思います。

つまり、列車というシステム、バスというシステムによって、行く、ということ。take the train/bus の場合は具体的な電車やバスに乗るイメージだからtheが付きます(あ~~ややこし!)。
bedは「寝る場所」という機能について言っている。だから寝るのはベッドじゃなくて布団!ていう人でも同じです。

こういう例は他にもあります。
go to work, go to school 、あるいは at work、at school の work や school も、それぞれ仕事する場、勉強する場、ということで具体的なモノや建物ではない。churchも同様で、宗教的な目的でそこに行く、居る、というときはthe も a もつきません。
(その)泥棒は教会に逃げ込んだ!とかなら The thief run into the church!(a か the かは文脈による)になりますけどね。親が面談のために子供の学校を訪れるとかのときもthe schoolになるでしょうし。

つまり、これらの語は、名詞ではあっても、もはや「可算名詞」ではなくなっているということです。「可算名詞が単数」という条件には当てはまらないから、冠詞なしというのもありうるのです。

ややこしくてかなわん!ですよね。
でも仕方ない。こういうことは「口に覚えさせる」ようにしましょう。by train, by train, by train….と何度も繰り返す。theを入れると不自然だ!と感じることができるまで。同様に、take the bus, take the bus….も。アタマでは理屈を納得する。でもそのあとはカラダ(この場合は口)でトレーニング。大人の言語学習はここがキモです!

では、「可算名詞が複数」「不可算名詞」の場合はどうなるでしょうか。次項にて!

一般化するなら無冠詞の複数形(または不可算名詞)


可算名詞が複数形だったり、不可算名詞の場合は冠詞がなくても成り立ちます。あとは文脈で、「あなたも私も知っている例のアレ」という気持ちがあるかないか、ですね。
しかーし、ほんとメンドクサイんだけど、 (いやほんとメンドクサイから読まなくてもいいです、興味ある人だけ見てね) 「総称表現」とかいうのがあって、 たとえば「猫は牛乳が好き」って場合、一般化した「猫」を表すのに、
Cats like milk.
A cat likes milk.
The cat likes milk.
実は「全部」正解です。 Cats が一番一般的で、猫を全般的に指している。
A cat なら、色々いる猫の中で、とりあえずランダムに1匹取り出したとして、そいつは~、て感じ。
The catは堅い響きになるので会話ではめったに使われないけれど、猫全体をひっくるめて「あなたも私も知っている、あの猫というものは」ってニュアンス。なぜかこの意味では、the cats とは言わないのですが。



でも本当に面倒くさいので、自分がこういうことを話したいときはとりあえず、Cats という冠詞なしの複数形一択にしましょう。

てことで、上のことは一応「文法としては」ありなのでアリバイ的に書いておきましたが(入学試験とかには出るかもしれないし、これを使って書いた英文を解釈する必要があるときもあるでしょうがそんとき思い出してね)、会話では一番ピンと来るはずの、猫全体をさす、というのを使えばいいのです。だいたい主語になるときと目的語になるときで違う、とか、細かく言うとさらにメンドクサイことになるのでもう知らんわそんなん!です(^_^;)

てことで、知らない猫が2匹以上いたらcats です。特定できるなら当然the cats です。特定できないときはsome cats とか言うとリズムも整っていい感じです。

不可算名詞はどうでしょうか。これは簡単、特定できるならtheをつけて、一般論なら無冠詞。

ヤヤコシイしメンドクサイ、けど、ここで少しスッキリさせましょう。 何度も書きますが 「あなたも私も分かっている『例の』アレ」 という気もちが the にはある。 覚えておくべきはとりあえずこれです。だから、会話の練習をするときにもちゃんとtheのこの気持ちを感じてください。前の項目で書いた「とある〇〇がありまして」という(紹介する)aやanの気持ちもね。 適当な添え物だと思っているからいつまでたっても理解できない。なんか時々ついたりつかなかったり。aかと思えばthe だったり。なんだこれ。…となってしまいます。

それでもなお、冠詞についてはお伝えしておきたいもろもろがあります。次の項目は「固有名詞と冠詞について」。

固有名詞は無冠詞。例外?に見えることがたくさんあるけど

人名や国名などの固有名詞には冠詞はつきません。紹介も特定もすでにされているのだから必要ないのです。
でも、例外があります。 それも多々。
でも実を言うとそれらも例外ではありません。ちゃんと原則通りなのです。
例えば the U.S.A. 国名なのにtheがつく。
あるいは川の名前。the Shinano とか。
これは実は「普通名詞の部分にtheをつけている」のです。
the U.S.A.は the United States of America で、the は United States「合州国」という普通名詞についている(合衆国と書くのが普通ですが意味からいけば合州国です)
「アメリカという名の、『あの』合州国」
republic「共和国」やkingdom「王国」と同じです。例えば韓国だって正式中の正式名称ならthe Republic of Koreaです。 川の名前もtheはriverの方についているのですが、しばしばriverを省略してしまうので固有名詞にtheがついているように見えてしまう。

建物の名前もそう。
the Empire State building エンパイアステートビル。
  これは実は building ではなく、state の方に the がついている。アメリカの各州にはその州の特徴をあらわす「あだ名」がついています。その昔ゴールドラッシュにわいた西部のカリフォルニアなら the Golden State とかね。つまり「『あの』金の州」。 そして「あの帝国の州」the Empire State はニューヨーク州のあだ名です。そのあだ名をいわば固有名詞としてビルに冠したというわけ。
  the Statue of Liberty(自由の女神)もthe Golden Gate bridgeも、それぞれ statue や gate という普通名詞に the をつけて、「あなたも私も知っている、『あの』『例の』という「気持ち」を入れているのです。

ややこし~~。 でも、はっきりいって、このあたりはもう
どうでもいい!
です(^_^;)。
ごちょごちょ書いておいてなんですが(^_^;) 経験上日本人の学習者はけっこう「知りたがり、理解したがり」なのでそのご要望にお応えしました。 本格的に翻訳したり、論文やら記事を書くならちょっと(いやかなり)注意したほうがいいでしょうが、会話中でこのレベルのことは気にする必要ない。
でも、ここでまたしてもまたしてもしつこく言いますが
★定冠詞 the は あなたも私も分かってる「例のアレ」
★不定冠詞 a/an は(可算名詞単数の場合)「あなたはまだ認識していないから紹介しますが、とある〇〇」
という「気持ち」があるので、その気持ちに沿っているかどうかだけを気にしてください。 普段は当然定冠詞は発音的には強調されませんが、上記の気持ちをことさらに入れるときは、発音も強調されることもあるのです。

固有名詞(に見えるもの)に冠詞が付くケースをもういくつか。
the Internet インターネットは「固有名詞」でもあり、普通名詞でもあります。大文字で書くときは世界規模の「あの」「唯一の」インターネットについて言っている。よって「あなたも私も分かっている、あの」が適用されます。ネット同士をつなぐネットと言う意味では普通名詞として使われることもあります。 科学技術用語にはしばしばtheがついているのですが、だいたい同じ理屈だと思います(←確立された論ではないです、私の推測)。
月moonとか太陽sunも、少なくとも私たちにとっては「唯一のもの」だから固有名詞と思ってもよさそうですが、実は宇宙全体を見ると衛星のことを月と言い恒星のことは太陽と呼んだりしますので(木星には月が79個もあるそうです)、我々のはやはり「例のあの」太陽であり月ですね。
川だけではなく地名関係は本当に複雑で、たとえば小さい湾には the が付かないけど、大きいものにはつく(たとえば the Persian Gulf ペルシャ湾)、とかのルール。これもやはり、大きな地理的に重要で有名な湾には「あなたも私も分かっている、あの」がつくということで理解できるかと。小さいものにはつかないけれど大きくて有名なものにはつく、は湾以外にもホテルとか建物とかありますがみんな同じでしょう。
冠詞についてはほんとにほんとにメンドクサクて、きちんと論文を書かなきゃならない、とかの場合には苦労します。検索すると、科学論文における冠詞の使い方、なんて論文がぞろぞろ出てくる。読むだけで頭痛。
でも、しつこくしつこく言いますが 「あなたも私も知っている例のアレ」であるtheと、「あなたはまだ認識してないから紹介する」であるa/an とりあえずこれだけ覚えておけばいいのです。 the を使ったときに相手が「え?それどれのこと?聞いたことないんだけど?」と聞き返すようでは失敗です。

あともう一つだけ冠詞についての記事を続けます。例外的(でもやっぱり原理からはずれてません)に「便利」な冠詞の使い方ね。

知っておくと便利?な冠詞の使い方、そして anとthe(ジ)のヒミツ

最後に、冠詞だけで「便利」に表現できるワザをいくつか。たぶん学校で習っていると思いますが、改めてまとめておきましょう。

★人の名前にも a/anをつける
「なんか、加藤とかいう人から電話あったよ」
Katoは当然固有名詞ですが、どこの、どんな関係のKatoさんなのかよく分からない。
そういうときは固有名詞でも a/anをつけちゃいます。
There was a call from a Kato. これによって、世界にたくさん(いや多いか少ないかの問題ではないですが)いるであろう加藤さんたちの、特定はできない「とある1人」というキモチが伝わるのです。
定冠詞も使いますよ。
”I saw Syohei Otani yesterday!” (きのう大谷翔平に会ったよ!) ”You mean the Syohei? Of Angels?”
「あの翔平のこと? エンジェルスの?」
人名に直接つくわけではないですが、こんな使い方も。
Kermit, the frog (カエルのカーミット)
Hachiko, the faithful dog (忠犬ハチ公)

★まとめて the をつけて「~家」
The Simpsons というマンガ&アニメをご存知ですか? アメリカのアニメ史上最長の番組だそうです。 もちろん、このタイトルは「シンプソン家」。日本では「シンプソン・ファミリー」というタイトルになっていますが、familyなんて言葉は必要なく、Simpsonさんたちがたくさんいるから複数形で、theをつけてまとめてしまうのです。

★the + 形容詞 で「~な人々」
「心の貧しきものは幸いである」
有名な聖書の言葉。the+形容詞 で、その形容詞が表す性質を持つ人々、という意味になるので、こうなります。
Bleessed are the poor in spirit.
the poor in spirit = 心の貧しい人々、ですね。
ちなみにこの文は「倒置」という技法(?)を使って印象を強めています。The poor in spirit are blessed.が通常の形。別のところで詳しく述べますが、英語は文型が命!普通の文型を崩す、ということはそれだけのインパクトを生むのです。 そしてこれも、一人一人を具体的には知らないけど、概念としては「あなたも私も知っている、あの」貧しさを体現する人々、と思えば理屈に合っていますよね。

他にも冠詞についてはある意味「例外」だらけで面白いと言えば面白いのですが、とにかくどれも、例の…ああもう書くのもメンドクサイけどアレね、例の、the rule は分かりましたよね! アレにすべて拠っているのです。

もうひとつ、母音(綴りではなくて発音ですよ)で始まる言葉はanがつき、定冠詞the なら発音が「ジ」になる、ってやつ。 あれも、実は「ルール」なんかではないのです。
その理由は、ただ
「そうでないと言いにくいから」
です。リズムが大事な英語ですが(その項目を参照してね)、a apple とか a interesting storyとかだとえらく発音しにくい。なのでいつのまにか n が 間に入ってしまった。よって発音するとき アン アッポー と言ったら意味ありません。anapple でアナポーです。aninteresting はアニンタレスティンです。
同じように、theの発音が「ジ」に近くなるのも、単に母音が弱くなっただけです。もともと、強調しない限りtheは弱い発音ですが、母音が続くときはそれでも言いにくいのでもっと弱くなる。もう聞こえないくらい。
てことで、あんまり気にしなくていい…んですが、ある意味では重要(?)。つまり、a apple とかthe(ザ) earthとかを言いにくい!と感じないようでは、英語のリズムがまだまだ捉えられていない証拠なのです。リズムに慣れてくればむしろ、何にも考えないでも母音の前はanや弱いtheになる、いや、したくなくてもなってしまうのですから。間違えるほうが難しいのです。

次は具体的な練習をちょっとしてみましょう。

練習問題 浦島太郎を語ってみよう

冠詞の感覚を掴むために、ちょっとした練習をしてみましょう。 以下は浦島太郎のお話です。 めちゃくちゃ簡略化して、初心者の方でも英訳できそうな形にしてあります (とりあえず自分が英語で言えるように日本語をかみ砕く練習だとも思ってください)。 冠詞に注意しながら、これを英訳してみてください(後で解答例をアップします)。 もう少し上級の方は、これをベースにしつつ、もう少しカッコ良く書いてみてね。 ちなみに、物語や映画の筋などを語るときは、基本的に現在時制を使うのが普通です。三人称単数の「s」にご注意!

とある漁師が海の近くに住んでいる。
その漁師の名前は太郎という。
ある日太郎はいつものように海に仕事に出かける。
彼は浜辺で、子供たちが1匹の海亀をいじめているのを見る。
彼は子供たちに金を与え、 「その亀をいじめるのはやめなさい」と言う。 子供たちは亀をいじめるのをやめ、亀は海に帰っていく。

後に、亀は戻ってくる。
亀は太郎を海の中に連れていく。
海の底には、美しい宮殿がある。
その宮殿は竜宮城と呼ばれる。
そこには美しい姫がいる。
彼女の名前は乙姫である。

乙姫は太郎をもてなす。
太郎はご馳走を食べ、ショーを見る。
ショーでは鯛やヒラメが踊る。
太郎は幸せで、時間を忘れる。

だが後に、太郎は家に帰りたくなる。
乙姫は太郎に小さな箱を渡す。
「これを開けてはいけません」と彼女は言う。

太郎は浜辺に戻る。
だが、家族も近所の人も見つからない。
村は変わってしまっていた。
長い時間が経ったのだ。
太郎は寂しくなる。
太郎はその小さな箱を開ける。
中から煙が出てくる。
太郎はおじいさんになる。

浦島太郎の初心者向け「簡易版」英訳です。

まだ少し課題を。( )内には冠詞が入るか、もしくは何も入りません(someを入れることができるところもあります)。トライしてみてください。これも後日「解答」を載せます。また、もう少しもっともらしく(?)した中級バージョンも作ってみますね。

とある漁師が海の近くに住んでいる。その漁師の名前は太郎という。
(  )fisherman lives near the sea. His name is Taro.
ある日太郎はいつものように海に仕事に出かける。
One day, Taro goes to work on (  ) beach as usual.
彼は浜辺で、子供たちが1匹の海亀をいじめているのを見る。
He sees children bullying (  ) turtle on (  ) beach.
彼は子供たちに金を与え、
He gives the children (  ) money and says
「その亀をいじめるのはやめなさい」と言う。
“Stop bullying that turtle.”
子供たちは亀をいじめるのをやめ、亀は海に帰っていく。
(  ) children stop bullying (  )turtle and it goes back to (  )sea.

後に、亀は戻ってくる。
Later, (  )turtle comes back.
亀は太郎を海の中に連れていく。
(  ) turtle takes Taro into (  ) sea.
海の底には、美しい宮殿がある。
There is (  ) beautiful palace at (  ) bottom of (  ) sea.
その宮殿は竜宮城と呼ばれる。
(  ) palace is called Ryugujo.
そこには美しい姫がいる。彼女の名前は乙姫である。
There is (  ) beautiful princess. Her name is Otohime.

乙姫は太郎をもてなす。
Otohime entertains Taro.
太郎はご馳走を食べ、ショーを見る。
Taro eats (  )great food and watches (  )shows.
ショーでは鯛やヒラメが踊る。
(    )Seabreams and (  )flatfish dance in (  ) shows.
太郎は幸せで、時間を忘れる。
Taro is happy and he forgets (  )time.

だが後に、太郎は家に帰りたくなる。
But later, he wants to go back home.
乙姫は太郎に小さな箱を渡す。
Otohime gives Taro (  ) small box.
「これを開けてはいけません」と彼女は言う。
“Don’t open this”, she says.。

太郎は浜辺に戻る。
Taro comes back to (  ) beach.
だが、家族も近所の人も見つからない。
However, he can’t find his family or neighbors.
村は変わってしまっていた。
(  ) village has changed.
長い時間が経ったのだ。
(  ) long time has passed.
太郎は寂しくなる。
Taro feels sad.
太郎はその小さな箱を開ける。
He opens (  )small box.
中から煙が出てくる。
(  )Smoke comes from inside (  ) box.
太郎はおじいさんになる。
Taro becomes (  )old man.

では英訳版浦島太郎の完全解答(+ややこなれたバージョン)を。

A fisherman lives near the sea.
His name is Taro.
One day, Taro goes to work on the beach as usual.
He sees children bullying a turtle on the beach.
He gives the children some money and says
“Stop bullying that turtle.”
The children stop bullying the turtle and it goes back to the sea.。

Later, the turtle comes back.
The turtle takes Taro into the sea.
There is a beautifle palace at the bottom of the sea.
The palace is called Ryugujo.
There is a beautiful princess.
Her name is Otohime.。

Otohime entertains Taro.
Taro eats great food and watches shows.
Seabreams and flatfish dance in the shows.
Taro is happy and he forgets time.。

But later, he wants to go back home.
Otohime gives Taro a small box.
“Don’t open this”, she says.。

Taro comes back to the beach.
However, he can’t find his family or neighbours.
The village has changed.
A long time has passed.
Taro feels sad.
He opens the small box.
Smoke comes from inside the box.
Taro becomes an old man.

ただしこれはあくまで、誰でも思いつきそうな(あるいはちょっと調べればわかる程度の)単語だけを使った初心者向けの超簡易版です。日本語で読んでもかっこよくないですよね。なので、もう少しこなれたバージョンを。ただこれでも、いわゆる「昔話を語る」文学的な文章にはなっていませんが。文学はさすがにいろいろ工夫して、文学的にインパクトのある文章になっているものです。ここでは、ちょっと英語に慣れた人なら書けそうな感じにしてみています。

A fisherman named Taro lives in a village near the sea. One day he goes to the sea as usual, and see some children bullying a turtle. He gives the children some money and tells them to stop bullying it. The saved turtle thanks Taro and goes back to the sea.。

Later, the turtle comes back and invites him to go into the sea riding on its back. There is a gorgeous palace called Ryugujo at the bottom of the sea, and a beautiful princess called Otohime in it.。

She entertains Taro with a grand feast. Taro enjoys dance shows by fish like breams and flatfish. He is so happy that he forgets time.。

However, after a while he remember his old mother and gets feel like going back home. Upon leaving, Otohime gives him a small box saying that he should never open it.。

He gets back to the beach on the turtles back again, but when he gets there, he can’t find anything he knew. His old mother’s gone, and there’s nobody he knows. The village has changed. Actually, while he was at Ryugujo, a long long time has passed without knowing. Taro fells so lonely that he opens the box despite Otohime’s warning. Some white smoke appears from the inside, and it makes Taro an old man.

ぜひ、そのほかの物語にも挑戦してみてください。添削ご希望の方はお問い合わせください。 英文にして100語程度(元の日本文200文字程度)=500円から承ります。